2013年09月11日

Posted by 前野岳洋
at 02:42

前野岳洋

前野岳洋「スイセン その1」

ギリシャの美青年ナルキッソスは、その美しさゆえに、あまねく乙女たちの心をとりこにしましたが、決して人を愛そうとはせず相手の心を傷つけるだけでした。

森のニンフの中で最も美人のエコーが彼に夢中になったときも、そうでした。

エコーは女神ヘラに仕えていましたが、ナルキッソスのことばかり考えて役目をおろそかにしたのでヘラの怒りをかい、相手がいったことばの最後の部分しかしゃべることができなくされてしまいました。

ナルキッソスは、そんなエコーにも冷たい態度だったので、エコーは悲しみにうちひしがれて、やせ衰え、とうとう声だけになってしまいました。

前野岳洋(住まいのトータルクリエイター)

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