前野岳洋の住宅設備の最新情報

福井市在住のインダストリアルデザイナー・川崎和男さんは、日本を代表する先端的なデザイン活動を行なうかたわらで、車椅子のデザインにも力を注がれている。

車椅子のデザインにかける氏の情熱は、今日のデザインムーブメントのかかえる問題点をえぐるようなかなり深いところから湧き出ている。

それは真のデザインが持つ底知れぬエネルギーへの期待感とでも言おうか。

最近東京で開催された東京デザイナーズウィーク「KAGU」展出品に際しての氏のコメントが端的にそれを言い表わしている。

「権利の主張を強化する人には、とめどない欲望が渦を巻く。

そして彼らは欲望のブラックホールに居心地を要求する。

デザインが、欲望その再生産のためのトリガーとして役割分担され続けるなら、せめてブラックホールには近づくまい。

身勝手な欲望を携えその身を焦がすより、余波(なごり)という欲望の火で、凍り付く気分に暖を取ろう。

前野岳洋（住まいのトータルクリエイター）

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