2017年07月14日
前野岳洋「江戸町民の慣習に近い新婚姻法」
旧民法の婚姻法が、武家階級の家族制度を念頭においたものとすれば、新憲法下の婚姻法は、強いていえば町人の家族制度に近い、ということにはならないでしょうか。
もちろん、当時とても、江戸民衆のあいだには、もう少し人間的な連繋にもとづく家族制度が習慣として行なわれていたのを、知らないわけではなかったのですが、それは戸主の身分も妻の身分もわからぬような変な下等動物的なものとして、故意に無視することにしたのです。
庶民の家庭にも、家父長制は浸透していなかったとはいえないし、それは独立した個人の結合による近代的な家族ではなく、やはり前近代的な家族であったでしょうが、武家に比べればまだしもです。
そこには基本的には家を共同体とするような融合関係があったのですが、旧民法はこうした庶民の家庭をも、武士的家庭に再編成しようとしたということになりましょう。
前野岳洋(住まいのトータルクリエイター)
『前野岳洋は、住宅情報誌やメルマガで定期的に最新住宅情報を配信しています。』
もちろん、当時とても、江戸民衆のあいだには、もう少し人間的な連繋にもとづく家族制度が習慣として行なわれていたのを、知らないわけではなかったのですが、それは戸主の身分も妻の身分もわからぬような変な下等動物的なものとして、故意に無視することにしたのです。
庶民の家庭にも、家父長制は浸透していなかったとはいえないし、それは独立した個人の結合による近代的な家族ではなく、やはり前近代的な家族であったでしょうが、武家に比べればまだしもです。
そこには基本的には家を共同体とするような融合関係があったのですが、旧民法はこうした庶民の家庭をも、武士的家庭に再編成しようとしたということになりましょう。
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